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〜若吉先生から皆様へのメッセージ〜“乳酸は一つのツール(道具)である”

 水泳選手には、トレーニング内容と科学的データ(心拍数や乳酸値など)とを照らし合わせながら、パフォーマンスを高めてほしい。なぜなら、このようにしてトレーニングを重ねることで、科学的データは自分にとっての強力な武器(味方)になるからである。
 トレーニングしたときに、タイムと乳酸値や心拍数の関係はどうであったのか。以前と比べてどのように変化しているのか。それを“自分の体で知る”ことで自分の状態をより客観的に捉えることができる。つまりコーチとは別にもう一人のアドバイザーやトレーナーが自分のカラダに同居することになる。
 行き詰ってスランプに陥ったとき、どういうトレーニングが有効なのかわからなくなることもあるだろう。しかしそのときこそ、科学的データは力を貸してくれる。トレーニング中に蓄積されたそれらのデータには、今の自分には何が足りないのか、どういうトレーニングをすべきなのか、そのヒントが隠されている。
 パフォーマンスは、ある程度まで伸びる。しかしながら、「コーチ」、「選手」、「科学的データ」の3つがうまく連結してこそ、“最後まで伸びきる”のである。“伸びきること”つまり壁を乗り越えるところに、スポーツとしての醍醐味がある。トレーニングを行うのはコーチではなく選手である。トレーニングを行うときに、選手自身がどれだけそのメニューに意味をもって取り組めるか、どれだけそのメニューを味わえるかということを考えたとき、コーチからの指導に加え、科学的データを知っておけば、選手自身の取り組みも違ってくる。
 先日、ジュニアの選手たちに乳酸値や心拍数など科学的データとその意味を教育し、トレーニングのアドバイスを行った。伸び盛りのジュニア選手が科学的データをタイマーやビート板のように、日頃から練習で使っている道具と同様に使いこなせるようになれば、日本の水泳はさらに飛躍するのではないかと楽しみにしている。