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高地トレーニングでの血中乳酸値の活用(シドニーオリンピック 銀メダリストT選手の場合)

 JOCトレーニングドクターとして、シドニーオリンピックの競泳選手であったT選手のトレーニングに携わった事例を紹介する。


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シドニーオリンピックの水泳種目は2000年4月に代表選手選考会が行われ、6月と8月にそれぞれ高地トレーニングを行い9月のシドニーオリンピックに合わせて調整が行われた。
 大会にむけたトレーニングにおいて、高地トレーニングは一般的になってきているが、血中乳酸値は高地トレーニングの有効性やパフォーマンスの伸びを評価する上で有用な指標となる。



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 高地トレーニング実施に伴う理想的な血中乳酸カーブの変化を図に示す。
 あらかじめ平地で乳酸カーブテストを行っておく(A)。
 高地トレーニング開始後2〜3日で乳酸テストを行うと乳酸カーブは平地に比べ左にシフトし最大乳酸値も低くなる(B)。
 高地でトレーニングを行うことで開始から10日〜2週間後に再測定を行うとカーブは右にシフトする(C)。
 さらに3-4週間後には平地レベルに近づく(D)。
 高所トレーニング後、平地で乳酸テストを行うと大きく右側にシフトが見られる(E)。



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 実際にT選手のデータを示す。T選手は、シドニーオリンピック前の半年間に2回の高地トレーニングを行い、乳酸カーブテストを6回行った。グラフにあるように、高地で測定したデータはトレーニングを重ねるごとに右にシフトし最大乳酸値は高くなり有効なトレーニングができたことが示された。
 その結果、T選手はシドニーオリンピックで水泳女子400m個人メドレー種目において2位の成績を修めたのである。