サッカーにおいて乳酸をどう活かすか
私どもの研究所を利用して頂いたプロサッカークラブでは、作成した評価基準をトレーニング時の選手のグルーピングに利用しています。たとえば240m/分で走ったときの血中乳酸濃度を指標にして選手を3段階の群に振り分けます。さらにインターバルトレーニングでの休息期(回復期)の強度の目安としても血中乳酸濃度を用いることが可能かと思います。
またシーズンの期分けが明確なプロサッカー選手においては、シーズンに入る前のコンディションをチェックするための指標として血中乳酸測定は有効です。プロ選手の場合は短期間で有酸素性能力が大きく変化することはないので、シーズン前の結果が良ければ1年に1度の乳酸測定で十分だと思います。しかし、選手として高いレベルを維持し続けるためには継続して測定することが重要かと思います。選手を管理するフィジカルコーチのみならず、実際に測定を受けた選手においても、過去のシーズンの測定値が記録として残っていることは、現在の自分のコンディションを把握し、そのシーズンの計画を立てるうえで非常に大きいと言っています。
これに対して中高生などの育成期は、有酸素性能力がもっとも伸びる時期であるため、プロ選手よりも高い頻度で血中乳酸測定を行うと良いと思います。これにより長期的なベースの変化を知ることができ、トレーニング効果を確認することができます。最近の検討では、特に中学1年生から2、3年生にかけて急激に乳酸カーブテストの結果が伸びることがわかってきました。また育成期の選手であっても、それ以降の選手では、体重あたりにみればプロ選手とほぼ同等の有酸素性能力を獲得していることが多い(図2)ので、これらの選手にはプロトコル、評価表ともにプロ選手と同じものを応用できます。したがってプロサッカー選手を目指すならば、上述の評価基準を目安にして15歳くらいまでに“一定水準”の有酸素性能力を獲得しておいた方が得策だと考えています。その前提のもと、筋量の発達を伴った無酸素性能力の強化に重点を置くのが良いでしょう。
- サッカーにおける乳酸の捉え方
- 乳酸を用いたトレーニングプロトコル
- サッカーにおいて乳酸をどう活かすか
- まとめ
